英国公衆衛生庁「12~15歳への接種は推奨しない」【代表発起人:柳澤厚生】

9月3日にイギリスの公衆衛生庁は
『12〜15歳の子どもへの新型コロナワクチンの接種を
一部のケースを除いて一律に推奨することはしない』
という内容のプレスリリースを配信しました。

私たちの活動にとても大事な内容ですので、
日本語全訳を投稿します。

代表発起人 柳澤厚生

■プレスリリース■【翻訳協力:Sandor  Buza氏】

予防接種に関する合同委員会(JCVIが12歳から15歳に対する

新型コロナウイルスワクチン接種に関しての追加の方針を公表

配信元:英国公衆衛生庁 

配信日:2021年9月3日

JCVIは新型コロナウイルスの重症化リスクが高い
基礎疾患を持たない12歳から15歳の子どもに対する
ワクチン接種を行うエビデンスについて再検討した

ワクチンと予防接種に関する合同委員会(JCVI)のアセスメントでは、ワクチン接種による健康上の有益性(ベネフィット)は、既知の潜在的な有害性よりもわずかに大きいとする一方で、現時点では健康な12歳から15歳全員に対するワクチン接種を支持するには有益性が小さすぎるとした。

教育上の利益を含む、幅広い社会的影響について検討することは、JCVIの権限の範囲ではない。英国政府は、英国4ヵ国の首席医務官らからより広い社会的および教育上の影響についてのさらなる見解を求める可能性がある。

大多数の子どもにとって、SARS-CoV-2感染症(新型コロナウイルス感染症)は無症候性もしくは症状が軽度であり、治療せずとも解決する。12歳から15歳の子どもで入院が必要なごく少数の子どものうちの多くは基礎疾患がある。委員会はワクチン接種が推奨される重症化リスクのある12歳から15歳の基礎疾患のリストの拡大を推奨している。

非常に稀な有害事象ではあるが、mRNA新型コロナウイルスワクチンと心筋炎の発症に関連性があるというエビデンスが出ている。中長期的な影響については不明であり、長期的な追跡調査が行われている。

健康な12歳から15歳において深刻な新型コロナウイルス感染症のリスクが非常に低いことを考えると、ワクチン接種による潜在的な有害性と有益性は非常に絶妙なバランスにあり、予防的なアプローチを取ることが合意された。

JCVIの新型コロナウイルスに対する予防接種の責任者であるウェイシェン・リム博士は以下の様に話している:

「12歳から15歳の子どもで重度の新型コロナウイルス感染症にかかる可能性の高い基礎疾患を持つ者には、新型コロナウイルスワクチンが提供されるべきである。提供の対象となる基礎疾患などの範囲が最近拡大された。」

「健康な12歳から15歳の子どもについては、重度の新型コロナウイルス感染症のリスクは低く、新型コロナウイルスのワクチン接種によって得られる有益性も低くなる。JCVIの見解では、総合的には12歳から15歳の健康な子どもに対する新型コロナワクチン接種による健康上の有益性は潜在的な有害性をわずかに上回るとしている。」

「予防的なアプローチを取る上で、現時点ではこの年代の子ども全員に対する新型コロナウイルスのワクチン接種を支持するにはこの有益性の差は小さすぎると考えられる。委員会は、安全性のデータについて引き続き検討していく。」

小児期の予防接種を決定するとき、JCVIは一貫して主となる焦点は子どもたち自身にとっての利益であり、ワクチン接種により起こり得る害とのバランスを考える必要があると主張している。

潜在的な副作用に関する長期的なデータが蓄積されることで、有益性と有害性についての再考がより確実になるが、このデータを得るには数ヶ月かかる場合がある。

これまでに、JCVIは重度の神経障害、ダウン症、免疫抑制、精神身体障害などを伴う最重度の知的障害、重度の知的障害がある、または知的障害の登録をしている子どもの新型コロナウイルスのワクチンの提供を推奨している。

入院と死亡に関する最新のデータを考慮し、JCVIはワクチンを提供する対象を拡大し、以下の疾患のある12歳から15歳の子どもを含むよう推奨している。

  • 悪性血液疾患
  • 鎌状赤血球症
  • I型糖尿病
  • 先天性心疾患
  • その他【付録A】に示す心疾患

先天性の障害または代謝障害が原因となることが多いコントロール不良の喘息などを持つ子どもは、呼吸器感染症が重篤な疾病に繋がる可能性のあるため、新型コロナウイルスのワクチン接種が提供されるべきである。

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付録A:12歳から15歳の子どもに関する新型コロナウイルス感染症のリスクグループ

慢性呼吸器疾患
全身性ステロイド薬の継続的または反復使用を必要とするコントロール不良の喘息の患者、または入院を必要とする急性増悪、嚢胞性肺線維症、線毛機能不全症、気管支肺異形成症の患者を含む。

 

慢性心疾患
血行動態に大きな影響のある先天性および後天性の心疾患、または他の併存疾患を伴う軽度の心疾患。

腎臓、肝臓または消化器の慢性疾患
先天性奇形、代謝障害、悪性新生物、および呼吸器感染症の素因となる重度の胃食道逆流症を含む。

慢性神経性疾患
以下の状態を含む者:

  • 脳性麻痺、自閉症、てんかん、筋ジストロフィーなどを含む神経障害および/または神経筋疾患
  • 神経系または筋肉の遺伝性疾患および変性疾患、または低換気を起こすその他の病態
  • 重度の知的障害または精神身体障害を伴う最重度の知的障害、ダウン症、脳腫瘍、知的障害者登録を行っている者

内分泌疾患
糖尿病、アジソン病、下垂体機能低下症を含む。

免疫抑制
疾病や治療による以下の免疫抑制を含む:

  • 化学療法、放射線療法、臓器移植、骨髄移植または幹細胞移植を受けた者
  • 免疫系に影響を与える遺伝性疾患のある者(例:IRAK-4またはNEMO遺伝子欠損症、補体欠損症、重症複合免疫不全症)
  • 白血病およびリンパ腫を含む悪性血液疾患のある者
  • 免疫抑制剤または生物学的免疫調節薬を使用している者
  • 高用量または中用量の副腎皮質ステロイドを用いた治療を行なっているまたは行う可能性が高い者
  • メトトレキサート、アザチオプリン、6-メルカプトプリンまたはミコフェノール酸などの非生物学的経口免疫調節薬を使用している者
  • 長期の免疫抑制治療を必要とする可能性のある自己免疫疾患のある者

無脾症または脾臓機能障害
遺伝性球状赤血球症、ホモ接合体性鎌状赤血球症、サラセミアメジャーを含む。

多数の機能に影響を与える重度の遺伝性疾患
ミトコンドリア病と染色体異常を含む。

<配信元URL>

https://www.gov.uk/government/news/jcvi-issues-updated-advice-on-covid-19-vaccination-of-children-aged-12-to-15?fbclid=IwAR0eB_CnQxZVNLx3UOrv6AQ0BbWi2msCvYlS5KSddQWXRzSpc0zNOLTVw_4

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