今後の大きな課題「ワクチン接種記録の保存期間」

情報提供:発起人メンバー 塚 理(大阪府茨木市議会議員)

◎現在の状況

(医師法)

・診療記録(カルテ)-治療が終了した日から5年間

・診療画像等-治療が終了した日から3年間

(医療訴訟における時効)(2020年4月1日施行 改正民法)

不法行為を理由とした損害賠償権は、被害者が医療過誤の事実と加害者を知ったときから5年、不法行為のときから20年で時効消滅する。

債務不履行を理由とした損害賠償権は、権利を行使することができると知ったときから5年、権利を行使することができるときから20年で時効消滅する。

◎ワクチン接種記録

・予防接種台帳の保存期間-5年間(国、自治体)

 →PHR検討会でも、いつまで情報を補完するかの議論はあったが、結論には達せず、継続審議となっている。

・母子保健手帳や予防接種済証(自己管理)

参照 https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000588379.pdf

P2,P5,P8,P12,P13,P27を特に参照

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08589.html (第36回厚生科学審議会)

◎新型コロナウイルスワクチン接種記録保存期間-5年間以上が望ましい(国の手引き書)

・今回の新型コロナウイルスワクチンについてはマイナポータルの利用も可能とのことだが、こちらの保存期間も5年間。

・今回の新型コロナウイルスワクチンの接種履歴はVRSシステムにて国に情報が集約されているが、法律を改正等での長期保存を求める動きは公的会議では、俎上に乗っていない。

・今回のワクチン接種で副反応的なものが出た場合に、「接種した記録がない」とのことにならないようにとの考えから、日本薬剤疫学会ではコロナワクチン実施前に、日本疫学会 、日本臨床疫学会、 日本ワクチン学会に呼びかけて、4学会合同声明を出したが、実現には至っていない。

https://www.jspe.jp/report/pdf/COVID19_jointstatement20201127Japanese.pdf

ワクチン接種時の予診票(当日の症状、熱などの記録)には自署名が必要なので、ここにデータ登録も併せて、同意を得られれば、自身の将来のデータとの突合、匿名化して効果と安全性の疫学的な解析にも活用できる可能性がある。

◎自治体独自での保存期間について-予防接種法では5年、今回の新型コロナウイルスワクチン接種の手引書では5年以上が望ましいとなっている。5年より短くすることはできないが、自治体独自で首長権限にて規定(規則)で20年や30年にすることは可能。ただ、首長が代わった際に規定は変更できるので、条例化の方が、一層手堅い。

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